スミス ダンゴウオ(団子魚) インプレ
釣行記録でも何度か触れていますが、このダンゴウオというルアーがあまりにも面白かったので個別のインプレ記事としてまとめておきます。以下、それなりに使い込んでみての感想です。
■使いどころ
まず、このルアーは「究極の寄り添い系」を謳っており、その謳い文句に偽りなく低活性な魚にも違和感や警戒心を与えずに食わせる力を持っていると感じました。というか、開発スタッフさんも言っていますが「低活性の方が釣れる」ルアーという印象です。活性が高い魚はもっと速くてブリブリ動いてシルエットも大きなクランクの方が釣れます。スローでやる気のない(体力のない)魚にも、「ちょっと触ってみようかな」という気にさせる力があるというのが強みのルアーです。
また、「寄り添い系」というコンセプトが表す通り、遠くの魚を寄せて釣るという類のルアーではありませんので、ある程度魚影が濃い場所を狙って投げる必要があります。
■特徴
自分は(釣り場のレギュレーションの関係で)フロントフックを外してリアフックのみで使用しているのですが、その状態では水中でほぼ完全にサスペンドします。(つまり、浮きも沈みもしないということです)
これだけだと、水中でただ止まっているだけなので魚に見向きもされないのでは?と思われるかもしれませんが、サスペンドとは言え水の僅かな動きをとらえて微かにゆらめいているため、近くにいる魚の興味を引くのには十分なようです。
というか、明らかに興味を持って魚が見に来ます。
例えるなら、水面ではなく水中でトップウォータープラグを使っているような反応です。
興味を持って至近距離まで見に来る、バイトまでは至らず踵を返す、でもやっぱり気になって見に来るというのを繰り返し、最終的には我慢できずにバイトしてしまうというようなシーンが何度もありました。
■SR-lowとDR-lowの使い分け
2024年時点では、SR-lowとDR-lowの2タイプが発売されていますが(来年SR-high、DR-highタイプも発売予定)、基本的には巻いたときの潜り具合の違いなので、浅いレンジはSR-low、深いレンジを狙いたいときDR-lowという使い分けでOKです。DRでもSRでもスローに誘える設計になっていますが、深いレンジを狙いたいけどDRだと巻いたときに潜りすぎるという場合にはロッド角度で調整可能です。
■使い方
このルアーを初めて使う方は、まずは見える範囲の魚に使ってみることをお勧めします。魚のいるレンジに潜らせて放置するだけで、魚が様子を見に来るのが分かると思います。あとは、どのくらいの速度で巻くのが良いのか(あるいは巻かない方が良いのか)を見極めてから、沖の魚やより深いレンジの魚を狙うと良いかと思います。
応用的な使い方として、目視で魚の反応を見ながら、様子を見に来た魚の鼻先から少しだけルアーを逃がしてやってバイトに持ち込むとか、逆に魚の目の前にルアーを持ってきて止めるなど、実はかなり「操作系」的な使い方も可能なルアーです。
巻きで沈めて、巻くのを止めるとルアーの動きもビタっと止まり、そのまま水中でサスペンドさせたり操作して誘ったりと、非常に「釣った感」のあるルアーで使っていて楽しいです。
このダンゴウオの使い方について、今回新たにいくつかの発見があったので書いておきます。
■セッティングについて
ベリーフックを外し、代わりにスプリットリングを1つ追加するとスローシンキングになります。スプリットリングを追加しない状態だと、ほぼサスペンドか、ラインの浮力や流され方によってはスローフローティングになります。自分は水面直下~1mの範囲で使うことが多く、遠投した先で沈めていると風にラインが流され、ルアーもそれに引っ張られて狙ったポイントから外れていたり、ルアーが浮いてしまっているということが何度かありました。
ダンゴウオの強みである「漂うような浮遊感」を出すためには、できるだけ浮きも沈みもしない状態(つまりどの方向からも力がかかっていない状態)をキープしたいのと、できるだけ正確に狙ったポイントを攻めたいので、風がある場合や遠投する場合はラインメンディングをきっちり行うか、場合によってはロッドを水中に入れてライン全体を水中に沈めた状態で使用すると良い感じでした。(浮上系ミノーでも同様の方法でラインテンションを抜かずに魚を掛けたりしますね)
ラインの種類(浮力)によっても、ルアーの動きは変わってくるので注意が必要です。
■ダンゴウオの強み
低活性な魚に強いというのは前述の通りですが、沖の中層あたりにいる比較的警戒心の薄いスローな魚を狙う場合にもハマる場合があります。小粒ながらもそれなりに自重があるので、マイクロスプーンでは届かない沖目を超スローに誘うことが可能です。これはつまり、竿抜けポイントを攻めることができるということを意味しており、これだけでも持っておく価値があるルアーと言えるでしょう。
以下、とある日のヒットパターンをご紹介します。
対岸側のかけ上がり付近を狙って遠投し、着水後すぐに糸ふけを巻き取りつつロッド先端を水中に入れ、ラインも水面に浮いている状態ではなく完全に水中に沈めます。その後はルアー本体の浮き上がりを抑え、ラインテンションをキープできるだけの必要最低限の巻きを続けます。(巻くというよりラインスラックを回収するだけくらいのイメージ)
すると、大体30秒以内で勝手に魚が掛かるというのがこの日のパターンでした。
沖の中層あたりをスローに攻めることのできるルアー自体、他にあまりないのですが、この寄り添い力で沖の表層~中層を狙えるというのはちょっと驚異的です。これまで釣れなかった時間帯、狙えなかったポイント、狙えても諦めていた魚など、大きな隙間を埋める武器になりそうです。
トップやボトムでは巻かずに放置で釣れるというパターンはあるのですが、中層でほぼ巻かずに漂わせて魚が掛かるという感覚が新鮮すぎて、ちょっと病み付きになりました。
■おすすめカラー
オフィシャル的にカラーはそれほど重要ではないとのことで、実際「このカラーだけ釣れる」とか「このカラーは全然釣れない」ということは今のところありません。強いて言うなら、エレクトリックRG、グラッシー、ウォルナットRGあたりが他カラーよりヒット数が多めかなという感触です。
■まとめ
狙える範囲とレンジがそれなりに広く、多様な使い方ができるルアーなので、SRとDRを数色ずつ持っていれば(活性低めのときは特に)これだけで一日中遊べてしまうルアーだと思います。使い方はかなり奥が深く、やり込みがいがあり、使っていても楽しいので、管釣り初心者の方からベテランの方まで広くお勧めできるルアーですね。
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